明治大学商学部
中川ゼミナール 原宿PJ
2016
富山県南砺市の伝統工芸
「五箇山和紙(悠久紙)」を使用
―東中江和紙生産加工組合―
合掌造りで有名な富山の五箇山では1,200年以上も古くから越中和紙を漉(す)いていました。私どもは先任が残してくれ和紙技術、技法を受け継ぎながら、和紙の原料となるこうぞ(楮)作りから紙漉きまで、昔ながらのやり方を守り続け、現在、五箇山にただ1つ残る一貫した生産農家として、こだわりの「悠久紙」を作っています。
春の楮こうぞ畑の手入れに始まり、夏の草刈、秋の刈り取り、そして冬はこうぞの皮剥ぎjから雪さらし・・・。昔と変わらない手作業で行われ、薬品も極力使いません。
こうしてできた純楮和紙は、強くて優美。「1,000年近く経ても墨の色も紙の色も変わらない」といわれ、昭和49年以来、桂離宮や国指定重要文化財の古文書の修復などに「悠久紙」が使われておりますことを心の励みに生産に励んでおります。
五箇山悠久和紙ハット
生産者:「東中江和紙加工生産組合」と
「REBIRTH PROJECT」の
共同開発
―一般社団法人 REBIRTH PROJECTー
2011年10月18日設立
基本理念:「人類が未来の地球に生き残るために」
事業内容: プロダクトデザイン、復興支援など
人々が持続可能な生活を営んでいるコミュニティ「リバースヴィレッジ」が各地で展開することを目指す。各自治体、任意地域・地区、民間と協同し、そのモデルケースになるまちづくり及び活動を「地域資源」「グラウンドデザイン」「市民参画」「若手支援」という4つの独自のアプローチから行う。
ー五箇山悠久和紙 作業工程ー
①[楮の栽培・収穫・乾燥]
1、退避まき(こうぞ畑4月~5月)
毎年念入りに堆肥を施す。
2、草刈り、芽かき(6月~8月)
芽かきした部分が1.5m以上になる9月中旬には、光合成を促進させて幹や皮肉を増大させる。
3、こうぞ刈り取り(11月)
こうぞの葉が落ちて先端に2~3葉となるころ、原木を収穫する。
4、こうぞ蒸し
皮をはぎやすくするため、原木を蒸し上げる。
5、木口たたき
蒸しあがったこうぞの端を木槌でたたいて皮をはぎやすくする。
6、こうぞはぎ
皮を裏返しにするようにはぎとる
7、こうぞ干し(天日乾燥)
はぎとった皮を天日で乾燥させて保存する
②[楮の加工]
8、こうぞたくり(黒皮除去)
表面の黒皮を手作業で切削する。
9、雪さらし
雪の上に約1週間、広げてさらす。
これにより色素が脱色し、天然の白色度が得られる。また、紙質が緊密になり損傷も少なくなる。
10、こうぞ洗い
清水で土や黒皮をきれいに洗い流す。
11、こうぞ煮(ソーダ灰煮熟)
大釜にソーダ灰を入れ、2~3時間撹拌しながら煮沸する。
12、あく抜き
水槽に煮あがった皮を浸して、流水の中であくを十分に落とす。
13、ちり取り
繊維となった皮を一本一本丁寧にちりやごみをとる。
14、紙叩き
叩いて繊維を強くする。
➂ 紙漉き
15、撹拌機
ほぐしてドロドロにする。
16、紙漉き( かみすき )
自家製のトロロアオイの粘液を入れ、漉き船にいれてすいていく。
17、圧搾(水分除去)
プレス機で圧力をかけて水分を取っていく。
18、乾燥(蒸気乾燥)
一枚一枚蒸気乾燥機で乾燥する。
19、乾燥(天日干し)
天気のよい日は板に張り付けて乾燥させる。
板干し乾燥も行う。
20、選別
厚みや汚れなどを選別。悠久紙が仕上がる。